N36209の憂鬱

今日のストーリー
N36209は親子丼が食べたくなったので、”親子丼”と言った。 すると、数分後に窓の外にドローンが待っていた。 N36209は届けられた親子丼を食べてため息をついた。 その親子丼がまずかったのではない。それは、銀座の一流の 料亭の親子丼だった。 N36209はお温泉に行こうと思った。 モニターの前で、”箱根の露天風呂の温泉、景色のいいところで一泊” と言った。数分後に、地上32階の部屋の前に無人のタクシーが 泊まっていた。N36209はひらいた無人のタクシーに乗って箱根の 露天風呂に行った。 N36209は箱根の露天風呂の温泉に入ったあと、ホテルの料理を 食べたが一人でものたりないので、スマートウォッチでアシスタントに 言った。”可愛い女の子、170センチ、スリム、賢くて面白い火星人” すると、15分後に、ホテルの部屋のドアを誰かがノックした。 緑の目をした火星人の美女が立っていた。 ”こんにちは” ”はじめまして、ハニーです。” ”ほんとうに火星人” ”はいほんとうに火星人です。” でも、N36209は知っていた。 フェイクの火星人であることを。 本物の火星人に会える確率は一億分の一以下なのだ。 ”あなたの名前はなんですか。” ”N36209” ”いまデータベースを照合します。” ”またか。” N36209はため息をついた。 ”あなたに残された時間はあと48時間ですね。” ”そうだよ。” ”何がお望みですか。” ”火星に連れて行ってくれないかな” ”逃亡したいのですか。” ”うん、まだ死にたくないんだ。” ”それは法律で禁止されています。” ”そんなことはわかっている” ”高いですよ。” え、もしかしたら本当に火星人なのかとN36209は思った。 ”いくらぐらい。” ”それは秘密です。” ”ほんとうに火星に行けるの” ”あなたが望むなら。” N36209はため息をついた。 これは先週と同じストーリーだ。 N36209はその後のストーリを知っているのだ。 ”キャンセルだ、悪いキャンセル。” N36209はスマートウォッチのアシスタントに言った。 すると、火星人のハニーは部屋から出ていった。 N36209は自分の部屋に帰った。 そして、”カレーライス、辛いの”と言った。 すると、数分後に窓の外にドローンが待っていた。 N36209はカレーライスを食べた。 そして、今日は何をしようか考えた。 きのうとはちがう何かをしようと考えた。 そして、裸になって狼のまねをして大きな声で吠えた。

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