【タイの田舎のチワワ侍】5.”なんみょうほうれんげきょう”で争う

今日のストーリー
workerin / Pixabay
数日の間、何事もなく平凡な日が続きました。 ある日のこと、チワワの武蔵先生が黒猫の小次郎先生に言いました。 ”おまえさんの、わんみょうほうれんげきょうはおかしいですにゃ。 正しくは、にゃんみょうほうれんげきょうですにゃ。” ”何をいっとるわん、わしのわんみょうほうれんげようが正しくて、あんたの、 にゃんみょうほうれんげきょうがおかしいんですわん。” ”そもそも、なんで黒猫のおまえさんが、ですわんとはなすんかにゃ。” ”それは、こっちのせりふですわん。なんで、チワワがにゃーなんや。” ”あんたがまちがっとるのにゃー。” ”いや、絶対におまえさんだわん。” あわや、一触即発の時。 ”おまたせ、きょうはタイのゲンキョーワンぶっかけめし、おいいしいよ。” トンちゃんが2匹の前に、ゲンキョーワンのぶっかけ飯をおきました。 チワワの武蔵先生は、それを見るなり夢中でたべはじめました。 黒猫の小次郎先生ははじめ注意深くみていましたが、チワワの武蔵先生が夢中で食べ始めたので、負けずに食べ始めました。 ”2匹ともタイ生まれだから、やっぱりゲンキョーワンよく食べるわね。” トンちゃんは笑っていいました。 ”でも、チワワはメキシコ産の犬じゃなかったっけ。” ”でも、顔はタイ人の雑貨屋さんのおじさんみたいな顔してるよ。” ”そういえば、タイの猫はシャム猫でしょ。” ”この黒猫、シャム猫じゃないわね。ちょっと下品な顔してるわね。” それを聞いた2匹は食べるのを突然やめました。 ”無礼者、わしはこれでも日本の侍ですにゃ。” ”そうですわん、拙者も由緒正しき武家の出身。” ”何がメキシコ生まれじゃ、無礼討ちにするですにゃ。” ”下品な顔とは許さん、覚悟せんとあかんわん。” 2匹がわんわん、にゃあにゃあ騒ぐのでとんちゃんはおかわりがほしいのだと思いました。 チワワの武蔵先生も、黒猫の小次郎先生も日本足でたちあがっただけで、何もすることができず、またしばらくすると、食べ始めました。 ”日本人はやっぱし味噌汁ぶっかけましですにゃ。” ”さようでござる、拙者もみそしるぶっかけが好きでござる。” 2匹はどうすることもできないので、なかよくゲンキョーワンぶっかけめしを食べるのでした。そして、食べたあとには、2本足で立ち上がり、手と手を合わせて感謝の”にゃんみょうほうれんげきょう”と”わんみょうほうれんげきょう”をそれぞれ唱えるのでした。

 

にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ
にほんブログ村